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↗︎ VISIONを腹に落とす読み物

1 / VISION - 「自分らしく生きる」とは!?


「自分らしく生きる」という言葉に込められる意味は、決してアーティストに向けた言葉だけではなく、全人類に向けたメッセージだ。
『人生とは、表現活動である 』この言葉はぼくが幼い頃からずっと親父が言ってた、口癖みたいな言葉。絵を描いたり、音楽を作る人だけが表現者という意味ではない。人はこの世に生を受けたその瞬間から、自分の人生という真っ白なキャンバスに自身の作品を手がける表現者(アーティスト)であるという意味だ。
 
ぼくが小学生の頃、周りの同級生は制服や体操服を買ってもらい、当然のようにそれを着て登校するわけだ。しかしぼくは親父の思想により制服を買ってもらうことがなかった。最初はうちが貧乏だから買えないのだと思ってたけど、どうやらそうじゃなかった。
 
『全員が同じ制服着て、同じ時間に登校して、同じ勉強をして、同じ時間に帰ってくる。これは洗脳教育だ!経済活動において必要な従順な社畜を生産するためのな!だからお前は学校行くな。勉強なんかせんでいい。生きていくために必要な本当の力は俺が教えたる!』
 
こんな親父だったわけだが、母親はまともだったので制服は買ってもらえなかったけど普通に学校に行けるようにはなった。
 
親父の思想はこうだ。表現者としてこの世に生を受けたにも関わらず、学校を中心とした洗脳教育により、皆んなと同じが正しい。とか、誰かに嫌われないように生きないといけない。という考えが自分の脳内シェアを占めると、人生というキャンバスに筆をおろしてるのが気付かないちに、自分ではなく「別の誰か」になってしまうという危機感を持っていた。
 
「自分らしく生きる」ということこそ、人が本来大切にすべき基本思想であり、幸福を感じる源泉だ。ちなみに、他人に危害や迷惑をかけて生きろ!という意味ではないので誤解のないように解釈してもらいたい。
 

『生きるか死ぬか、人生最大のチャレンジはもう既に全員が終えてる。死ぬまでそれ以上に危険なチャレンジはないから恐るな、全部やれ!』

 
「自分らしく生きる」というのは言葉ではたやすく聞こえるが実際問題、人によっては勇気のいる活動となる。時には大きなチャレンジに踏み出さないといけないことだってあるだろう。中には「九死に一生」みたいな場面に直面するかもしれない。
 
でも、この世に生を受けた全ての人類が、生死を分ける人生最大のチャレンジは終了している。それが出産という場面だ。思考能力も体力も脆弱な胎児が母親の体内から外界へと飛び出すその瞬間。呼吸法も変わり、鼓膜が破れそうな音の世界、目が潰れそうなほど眩しい世界と遭遇するわけだ。現在では医療が発達し乳児の生存率は高まっているが、わずか50年ほど前は年間に6万8,800人の乳児が出産時に亡くなっている。ちなみに新型コロナウイルスで亡くなった日本人は2020年で3,500人だ。今この時点で健康に毎日を過ごせている君たちは、間違いなく人生において最大のピンチを突破してるわけだ。だから恐ることはない、自分らしく生きるために必要だと考え抜いたことは全部やれ!
 

2 / 自分らしく生きるために必要な「意味」の存在


現在の日本では生存するために必要なモノはほとんど揃っている。「米が欲しい」「寒さを凌ぐ服が欲しい」と飢えている人はいない。また、人が抱える欲の変化により所有すること自体に意味を感じなくなってきている。一昔前は「カッコイイ車が欲しい!」「高級なマンションが欲しい!」とか所有するステータスに意味があった。
 
これからは「意味」の時代がやってくる。それも『自分らしく生きるための意味』だ。
ここで自分らしく生きると関連性が高いワードである“自由”をベースに自分らしく生きるための意味を説明しよう。
自由という言葉には大きく分けて2つある。
① Free from = 負や不から解放される ② Liberty to = 自らを由縁とする生き方
 
最初のFree fromは痛みや苦しみ、不足や不満から解き放たれる解放だ。この解放を手助けする商品やサービスを「役に立つ(便利レイヤー)」とする。今や役に立つ商品やサービスはこの世界に溢れているため、逆に不便な商品を見つける方が難しくなっているほどだ。このレイヤーは既に特定の市場産業が存在しており、競争がある世界と言える。
 
次に②Liberty to = 自らを由縁とする生き方。「由縁」とは自分の考えや嗜好に納得して従うということであり、つまり自分がそれを選択する意味があるという状態だ。
 
例えるならばぼくがVANAGONという旧車に乗るには意味がある。年間10回は故障するし、エアコンは効かない、高速道路では80Kmしかでない代物。便利ではなくもはや不便なものだが、我がファミリーを象徴するのがこの車であり、それが乗り続ける「意味」だ。
 
Apple製品だってそうだ。iPhoneともう1つくらいApple製品デバイスを持つ人の多くが意味レイヤーだ。Apple製品は他と比べて高い、同じ性能でもっと安いデバイスはたくさんある。だけどApple製品がかもし出す美しいデザインや、スティーブ・ジョブスの精神に共感してる人も多い。

3 / VISIONを実現する「意味」のあるプロダクト・サービスを続々と世に生み出す


便利レイヤーでビジネスをするのは簡単だ。(意味レイヤーと比べて)存在する市場に対してコスト優位ポジションを獲れば市場から選ばれる。それに反して意味レイヤーでビジネスをするのは小さなイノベーションや創造を繰り返していかないといけないので難しい。市場変化を観測し、人々がどんな「自分を由縁とする生き方」を求めてるのかを見つける。
 
プロダクト、サービスを作りこむ時も「意味」を持たせることを心掛ける。市場がその意味を手に入れることで個人として「自分らしく生きる」ことを実現できる。一番最初のサービスとしてアートのサブスクを選択したのは偶然かもしれないがベストだと信じてる。言語化できないアート作品を数字や言葉で管理し、ユーザーのお手元に届ける際に、「モノ」ではなく「意味」に置き換えることができるようになっている。
 
ここで培った「意味の管理」をチーム全員で体得し、武器にする。そして「自分らしく生きる」というVISIONを達成する全く新しいプロダクト・サービスを生み出し続けよう。